なぜ2018年のICO資金調達は規制強化の中でも逆に拡大しているのか?

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ICO調達額の月次推移(2016年~)

2018年の仮想通貨市場の相場下落と、各国の規制強化により、

「ICOの市場はトーンダウンしてるんじゃないの?」

と思っている方は多いのではないでしょうか。

実は、2018年以降に世界のICOの調達額は、逆に加速して拡大しています。

出所:Coin Schedule

平均為替レートは、2016年:108円 2017年:112円 2018年:105円を使用

2018年1-3月の3ヵ月だけで約5213億円と、既に2017年の年間調達額(4345億円)を超えました。この調子だと、年間2兆円に達するペースです。

世界全体の株式「IPO」調達額は、2017年は1965億ドル(約22兆円)でしたので、今年は株式IPOの約1割の市場規模に達する可能性があります。

この中には、大型ICOのテレグラムの1回目のプレセール(USD850mil:約893億円)が含まれていますが、これを除いても、ペースが加速していることは確かです。

ICOの件数は月50件超

件数も増加しています。今年に入ってから、月に50件超のペースとなっています。

出所:Coin Schedule

世界の株式IPO件数は2017年に約1700社でしたので、IPOの3~4割の件数に達するペースです。

2018年にICOが増加している理由①:IPOより断然資金調達しやすいという認識が浸透

ICOの1社あたりの平均調達額は、単純計算で2017年に20億円に達しています。

企業側からすると、IPOのように3年前から社内体制を整備したり、主幹事に多額の手数料を抜かれたり、株式の希薄化もありません。ICOによって世界中の知名度を上げられるため、お金もらって広告しているようなものですし、売上ゼロでも資金調達できるわけですから、こんなチャンスはありません。

自社のサービスを何かしらトークンに結び付けるのは、そんなに大変なことではないでしょうし、企業側からすると、ICOのデメリットはあまりありません。

特に規制強化されなければ、ますます増えると思います。

2018年にICOが増加している理由②:下落相場で投資家がICOにシフト

一方、投資家サイドからすると、仮想通貨市場が下落しているので、上場通貨の大きな市場変動リスクをとるよりも、上場前に買って初値で売却した方が、面倒でリスクはあるが、勝率が高いという認識が高まっているのではないでしょうか。

明確にICOを禁止している国の方が少ないため、参加者は増える一方であり、この傾向は当面続くと思います。

つまり、まだまだ供給も需要も増えるステージにあるということです。

ほぼ全てのICOが上場初日に天井

市場が拡大するのはいいのですが、問題としては、上場後に買う人がおらず、完全に売り手超過となっているため、軒並み上場初日が天井となり、ズルズルと下落が続いているということです。

例えば、次世代のブロックチェーン3.0と評価され、ICO申し込みの送金開始数秒で完売し、話題となったArcblock(アークブロック)というトークンが2/27に上場しました。

公募価格 約0.5ドル/ABT(1ETH=1900ABT)
初値   1.17ドル(+2.3倍)

とハッピーなスタートでしたが、その後は下落が続き、現在約0.5ドルです。

ほぼ例外なく全てのICOが同じような推移となっており、上場基準の緩い取引所などは、まるでICOの墓場となっています。

まだArcblockのような人気トークンならICO価格を大きく割り込んでいないのでいいですが、いまのところ一番損を被っているのが、その通貨に思い入れのある、長期投資家です。

カブミチ
いくら有望そうなトークンでも、「長く持って良い市場環境」なのか、「初値で売るべき市場環境」なのか、過去の事例を積み重ねて、見極めないといけないですね。

今の市場環境は、残念ながら、明らかに後者です。

せめて価格が横ばいとなり、安心して長期保有ができる市場環境になってほしいですね。

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