私が12/8(金)にビットコインを利益確定した4つの理由(元ファンドマネージャー)

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元ファンドマネージャーのカブミチ先生
ビットコインは、中長期で保有するのが基本スタンスとはいえ、ここ数ヵ月のビットコインの上昇は異常だと思い、利益確定しました。もう少し緩やかな上昇を想定していました。

カレンさんには、12/8(金)に利益確定とリサーチを兼ねて、ビックカメラ店舗での決済を試してもらいました。

投資について学んでいる「カレンさん」
思ったより簡単だったよ!
ビックカメラでは、2017年4月に有楽町店、新宿東口店でビットコイン決済を開始しましたが、7月には全店でビットコイン決済に対...
カブミチ先生
私が利益確定した背景を以下に述べます。

基本的には、相場の方向のみに賭けるのは嫌いだし、あとで「赤っ恥」となる可能性もあります。

自分の経験に基づくディシプリン(規律)に従っているので、もし間違えていたら、私のディシプリンの改善につなげていきたいと思います。

ビットコインはもう終わったね・・・」というムードがもう少し蔓延するのを待ちたいです。株式市場にもオポチュニティは沢山ありますし。

長期的には強気ですので、冷静になって、また再投資を検討します。

売却理由1. 実体価値と市場価値の乖離が大きい

元々は、2020年まで売らないつもりで買いました。

ただ、「長期の予想、ストーリーに基づいて買ったものが、予想以上に短期で値上がりしたときは、一部又は全て利益確定」するのが投資の基本であり、株式でも仮想通貨でも全く同じです。

これは、「最初から短期での値上がりを目当てに買った」のと、結果は同じであっても、プロセスやスタンスが違うため、長い目で見たパフォーマンスもリスクも異なります。

長期の投資は、自分が考える「実体価値」と「市場価格」に差があるときに投資をするのが基本だと、私は考えます。

Price is what you pay, value is what you get. 

価格とはあなたが払うもの。価値とはあなたが得るもの。

ウォーレン・バフェット

難しいのが、「通貨の価値」ですが、基本的には、使われる実需に概ね収斂されるはずです。

ビットコインは、既に人口6500万人の英国ポンドや、人口13億人のインドルピーを超えた規模に達しています。

出所:Topdowncharts

しかし、誰がビットコインを実需に使っているのでしょうか?

10月から12月にかけて、2カ月でビットコインは4倍になり、今年だけで20倍になりましたが、自分の周りでビットコインを決済に使っている人がどれだけ増えたでしょうか。

限りなくゼロに近いですね。むしろボラが高すぎて店舗側は二の足を踏んでいます。

カレンさん
ビックカメラで買い物をしたときは、店員さんは、ビットコインで決済する人はほとんどいないって言ってた。

通貨ではなく、と比べるにしても、金は宝飾品や工業用途として使われているし、実物の美しさそのものが保有意義にもなります。仮想通貨は実物がない無味乾燥なものです。

このように、必ずしも「実体価値」を定量的に計算するのが困難でも、「常識」で判断して、今のビットコインは、ファンダメンタルズによる実体価値と、市場価値にギャップが大きい状態にあることは、直感的に誰でもわかります。そのチキンレースが続いています。

売却理由2. 実際に店舗で使ってみて実感したビットコイン決済の問題

「実需で使われる」とはどういうことなのか。それをリサーチする意味でも、決済を経験してみました。

ビックカメラでは、2017年4月に有楽町店、新宿東口店でビットコイン決済を開始しましたが、7月には全店でビットコイン決済に対...

そこで得たシンプルな気付きが2つあります。「税金」「送金手数料」です。

【税金】ビットコインの含み益を送金した場合も課税される

12月1日に国税庁がビットコインの税金に関するいくつかの見解を出しました。

それによると、含み益を使って(円転せずに)送金した場合も、売却時と同じように雑所得として課税されます。住民税と合わせて、大体含み益の30%~50%は税金でとられます。(※利益が20万円以下の場合、サラリーマンで源泉徴収していて他に申告所得がない場合は、確定申告は不要)

※投マガ作成

もし「仮想通貨を店舗決済に使った場合は、課税されない」のであれば、現在は多くの保有者が含み益を抱えているため、日本円に転換しないで、モノを買うモチベーションになりますし、仮想通貨決済が進むきっかけにもなります。

物を買うために送金する際に、いちいちその通貨の含み益の税金まで気にしないといけないような通貨は、実際に使うのに面倒くさすぎます。

私は、国内の個人消費促進のためにも、何らかの課税軽減措置があるのではないかと考えていましたが、甘い見方だったようです。これは、私の中では、一つのネガティブ要因です。

【送金手数料】既に銀行送金より割高になった

以下が、国内主要取引所の送金手数料です。

ビットコインの送金手数料 1ビットコイン200万円換算
bitFlyer(ビットフライヤー) 0.0004BTC 800円
Coincheck(コインチェック) 0.001BTC 2,000円
Zaif(ザイフ) 0.0001以上選択可

(0.0006以上を推奨)

200円以上選択可

(1,200円以上を推奨)

※12月10日時点

既に、銀行送金などより割高になっています。

元々は、ビットコインは手数料が低いということが、実需で普及する理由の一つだったはずです。しかし、今は、速やかに決済されるためには、800円以上の手数料を払わないといけないという事態になっています。

確かに、ビックカメラのように、ビットフライヤーの提携先へのビットコインの送金は無料です。しかし、手数料がビットコインのマイニングの優先度に関わってくる以上、一部の提携先以外は、今の手数料が維持される可能性が高いといえます。

実際、コインチェックのウォレットから送金してモノを買おうとしましたが、手数料の高さに使うのを躊躇しました

Coincheck(コインチェック)のビットコインでは、ビックカメラで決済できませんでした。

ビットコインの送金手数料は、感覚的にはせめて少なくとも100円以下であってほしいものです。そうでないと、ランチ代にも使う気になりませんし、飲み代を割り勘するのにも使えません。

このまま手数料が一定なら、価格が1/8(ビットフライヤーの800円→100円)にならないと、経済的な辻褄が合いません。つまり、ビットコインの価格は、200万円/8=25万円くらいが実需として妥当、という話になってしまいます。

ビットコインが普及するには手数料が下がらないといけない。しかし、手数料が下がるには価格が下落しないといけない、という矛盾に陥っています。

売却理由3. 米国でデリバティブ取引が始まる

今のビットコインのように、ファンダメンタルズによる実体価値を裏付けるものが少なく、市場の期待だけが先行している状態は、空売り投資家が大好きな局面です。

そのタイミングで、12月10日にシカゴオプション取引所(CBOE)18日にシカゴマーカンタイル取引所(CME)でビットコインのデリバティブ取引が開始されるのは、吉と出るか凶と出るか不透明であり、保有リスクが高い状態だと思います。

勿論、メジャーな取引所に上場することで金融市場に認められる効果資産運用先として組み入れられる可能性など、長期的なプラス面も計り知れません。ただ、いまの時点で、伝統的な資産クラスにビットコインを組み入れるという具体的な話は、周りで聞いたことがありません。

それよりも、忘れてはいけないのは、1989年末を高値に日経平均が暴落した際、外資系証券(当時のソロモン)の大量のプットオプションの購入や、先物取引などデリバティブが影響したということです。当時の多くの日本人機関投資家は、その裁定取引の仕組みを理解しておらず、翻弄されるだけでした。

仮想通貨のネットの世界で、「先物とは何か」「CMEとは何の略か」「裁定取引とは?」といった記事が今後増えるのかもしれません。

いずれにしても今後は、ビットコインの価格が米国の先物市場中心に形成されていく可能性が高く、市場参加者の属性が変わってきます。

売却理由4. 過去の2回の下落時は平均90%下落している

ビットコインは、2009年1月に誕生して以来、2011年と2013年に、2度の大きな下落を経験しました。その直前に1か月で44倍になったり、1年で85倍になったりしています。

ずっと前からウォッチしている人からすると、今の上昇も「またか」という感じでしょうね。

下落の背景など、詳細な説明は以下の記事の中にあります。

【初心者必見】ビットコインの始め方まとめ。おすすめの取引所、購入方法、メリット・デメリット、口座開設、手数料、税金まで一気に解説。

その後の平均下落率は約90%です。今でいうと、1ビットコイン230万→23万くらいまで下がった、ということです。

ヘッジファンドが売りをしかけるとすると、彼らの一つのターゲットとして、過去の下落率を目安にすることでしょう。

ここからのビットコインのリスク・リターン

以上より、12/9(金)に利益確定しました。もちろん早すぎたのかもしれません。

まだまだビットコインの普及率も低いですし、長期的には強気です。ブロックチェーンの技術で大化けする銘柄が出てくると信じてリサーチしています。ICO案件もリサーチ中です。

「資産運用をする」というのは、方向を一か八かあてるのではなく、方向感を考えた上で、常にリスク・リターンの良い方に自分の資金をコントロールすることだと私は定義しています。

ビットコインのここからの最大リターンはどれくらいでしょうか?

下図は再掲になりますが、長期的には、ユーロ(135兆円)、ドル(170兆円)の流通量と同じ規模まで並ぶのが、長期的なウルトラ・ベストケースだと考えます。つまり約150兆円ですので、現在の約25兆円からの最大リターンは6倍です。

出所:Topdowncharts

一方、最大下落リスクについては、①過去2回の調整局面の下落率(▲93%、▲84%)②手数料から逆算した妥当価格が約25万円なので、▲90%と想定します。

今のビットコインは、長期的には最大6倍になる可能性があるが、1年で9割目減りする可能性がある資産」といえます。

総じて、ビットコインを保有するのは、リスク・リターンが悪いと判断しました。この判断が間違っていれば、それはそれで新たな勉強になるので、面白いですけどね。

しばらく下がるまで待ちつつ、別の投資機会を調査することにします。

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